特別養護老人ホーム、介護老人保健施設とは?高齢者施設9種類の違いを解説

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています
高齢者施設 特養 老健 社会保険のこと

そろそろ高齢者施設に入ろうかしら。
でも要介護認定を受けてなくても入居できる施設ってあるのかしら?

そろそろ自宅で介護するのは大変かも…
でも介護施設ってどんなサービスをしてくれるのかな?

じつに3人に1人が高齢者であると言われている日本。この高齢社会の中で、高齢者が自分らしく今後生きていくための「住処」をどこに構えるのか、他人事ではないですよね。


この記事では高齢者向け施設の種類、そして違いや特徴についてご紹介します。ぜひご自身にふさわしい施設を見つけられる助けになれば幸いです。

高齢者施設の違いは?

「高齢者施設」「高齢者向け施設」「介護施設」など、さまざまな呼ばれ方をしますが、高齢者向けの施設は大きく次の3つに分かれます。

1,介護保険施設

国からの補助金で運営されている公的な施設で、設置主体が地方公共団体/社会福祉法人/医療法人に限定されています。

メリット
・入居に関わる初期費用がかからない。
・民間施設に比べると費用が比較的割安。
・介護保険を利用して介護サービスを受けることができる。


デメリット
・基準以上の要介護度の認定がなければ入居できない。
・需要が高いため、待機期間が長い。
・個室ではない施設も多い。

2,そのほかの高齢者向け施設

民間で運営しており、その多くは営利法人による施設です。

メリット
・介護保険サービスでは賄いきれない細やかなサービスを提供する施設もある。
・要介護認定を受けていない自立した高齢者も入居できる。
(例外:認知症高齢者グループホームは要介護1以上)
・個室の施設が多く、プライバシーが尊重される。
・介護が必要になった場合でも対応可能な施設もある。
・民間経営のため、施設ごとにサービスの差別化を図っている。そのため、高級ホテルのような施設もある。


デメリット
・民間経営のため、全体的に介護保険施設より費用が高い。
・入居に際して初期費用がかかる施設が多い。
・施設によっては介護を受けるには外部サービスの訪問介護を依頼する必要がある。
・要介護度が重くなったり、認知症の症状がひどくなると退去しなければならない施設もある。
・看取り対応をしない施設もある。

3,高齢者福祉施設

経済面や家庭環境などの事情により家に住めない高齢者のための公的な施設。

メリット
・費用が安い


デメリット
・入居の条件が厳しい。
・新しい施設が少ない。
・高齢者福祉施設のうち、養護老人ホームは「措置」による入居のため、利用者側で施設を選ぶことはできない。

高齢者施設の種類

上記でご紹介したとおり、高齢者施設は「介護保険施設」「そのほかの高齢者向け施設」「高齢者福祉施設」の大きく3つに分類されます。そして、それぞれ次のような施設があります。

1,介護保険施設

・特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)=特養
・介護老人保健施設=老健
・介護療養型医療施設
・介護医療院

2,そのほかの高齢者向け施設

・サービス付き高齢者向け住宅(一般型/介護型)=サ高住
・有料老人ホーム(介護付き/住宅型/健康型)=有料
・認知症高齢者グループホーム

3,高齢者福祉施設

・軽費老人ホーム(A型/B型/ケアハウス)
・養護老人ホーム

高齢者施設の特徴と違い(※1)

上記でご紹介してきた施設はそれぞれ目的や入居対象者、サービス内容に違いがあります。
入居可能な条件か、サービス内容は適しているかを確認しながらご覧ください。

1,介護保険施設

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)=特養

対象者:下記のすべての条件を満たす人物
要介護3以上
・医療的処置を必要としない方
・常時介護を必要とする在宅での介護が困難な方

サービス内容
・食事、入浴、排せつなどの日常生活の介護
・機能訓練(リハビリテーションなど)
・健康管理(医療的処置を除く)
・相談支援やレクリエーション

・常時の介護を必要とする方が、日常生活の介護を受けながら生活をするための施設。
・寝たきりの方から、カラオケや料理、クイズなどのレクリエーションを楽しむ方まで、さまざまな方がいる。
・要介護3以上の中~重度の要介護度認定を受けた方が入居できる。
・要介護度認定の更新時に要介護度3未満になると退所しなければならない。
・費用が比較的安いため、需要が高く、待機者が多い。

介護老人保健施設=老健

対象:下記のすべての条件を満たす人物
要介護1以上
・入院治療の必要はないが、医療的処置を必要とする人

サービス内容
・リハビリテーション
医療的ケア(投薬、診察、看護)
・食事、入浴、排せつなどの日常生活の介護
・機能訓練(リハビリテーションなど)

・医療的管理のもと、リハビリテーションなどの医療サービスや介護を受けて、在宅復帰を目指すための施設。
・常勤医師がいるため、手厚い医療的ケアが受けられる。
・主に退院直後に自宅に帰る前のリハビリテーションのために入居することが多い。
・在宅復帰を前提とした施設であるため、入所期間は原則3か月とされている。

注意

老健入所中は医療保険が使えない!?(※2)

原則、老健入所中は医療保険が使えません。なぜかというと、老健の入所に要する費用(介護報酬)に医療行為分の報酬が含まれているからです。入所者に薬を処方する際は、施設側が薬の費用を負担する必要があり、できれば安価な薬で済ませたいところ…ということで、今まで服用していた薬から違う薬に変更される場合があります。
※医療保険が使えないのはあくまでも原則であり、入所者の傷病の状態から必要な場合は通院や往診が認められています。

特養と老健には従来型とユニット型がある!!

特別養護老人ホームと介護老人保健施設は、サービスの提供の仕方、人員体制によって従来型ユニット型に分かれます。施設を検討するときは、その施設がどちらに当たるのか確認しておきましょう。

従来型特養
・大人数の入居者に対して多数の介護者が介護する。
(大部屋で入居者全員が長テーブルで食事をしている昔ながらの施設をイメージしてほしい)
・多床室のことが多い。
・孤独を感じにくい反面、プライバシー保護が難しい。

ユニット型特養
・施設全体をユニットに分けて介護を行う。
・1つのユニットに10人程度の入居者がいる。
・個別のケアが可能。
・個室の施設が多いため、プライバシーが守られる。
・従来型に比べて費用が高い。

介護療養型医療施設 (2023年3月末に廃止予定。介護医療院に移行。)

対象者:下記のすべての条件を満たす人物
要介護1以上
・症状は安定しているが長期療養が必要な人

サービス内容
・医療的ケア、看護
・ターミナルケア
・食事、入浴、排せつなどの日常生活の介護
・機能訓練(リハビリテーションなど)

・慢性疾患がある人の長期療養が可能。
・介護職員が手厚く配置された医療機関。

介護医療院(※3)

対象者:下記のすべての条件を満たす人物
要介護1以上
・症状は安定しているが長期療養が必要な人

サービス内容
医療的ケア、看護
ターミナルケア
・食事、入浴、排せつなどの日常生活の介護
・機能訓練(リハビリテーションなど)

・長期的な医療と介護のケアを必要とする人の長期療養が可能。
・高齢者向けの施設の中でも医療に特化している。経管栄養や喀痰吸引の処置も可能。
・ターミナルケアも対象とする。
・2023年3月末に廃止予定の「介護療養型医療施設」の後継的立ち位置。
 介護療養型医療施設との違いは、医療的ケアに加えて生活施設の機能があるところ。

2,そのほかの高齢者向け施設

サービス付き高齢者向け住宅=サ高住(根拠法:高齢者住まい法)

高齢者単身・夫婦で暮らすことができるバリアフリー構造となった賃貸等のことをいいます。

対象者原則60歳以上の方
一般型と介護型で対象者が異なります。

一般型:自立~軽度の介護を要する方
介護型:自立~要介護5

サービス内容
サービス付き高齢者向け住宅には必ずなくてはならない必須サービスと、施設によって取り扱いを決めることができる任意サービスがあります。

必須サービス

・生活相談
・安否確認

任意サービス

・食事の提供
・介護の提供
・健康管理
・家事の供与

これら任意サービスのうちどれかひとつでも提供していれば、後述する「有料老人ホーム」に該当するサービス付き高齢者住宅になります。(※4)

さらに、サービス付き高齢者向け住宅のうち、特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設は、要介護者に対する介護保険サービスを行うことができます。こうした施設を一般的に、「介護型サービス付き高齢者向け住宅」と呼ばれます。介護型と一般型の違いは次のようになります。

介護型サービス付き高齢者向け住宅(特定施設入居者生活介護)

・介護を必要とする方も入居できる。
・常駐する施設の介護スタッフから介護を受けることができる。

一般型(自立型)サービス付き高齢者向け住宅

・基本的には介護を必要としない自立した方が入居できる。
・外部サービスによって介護を受けることが可能。
 ただし、要介護度が高くなると退去が必要になる施設もある。
・認知症の場合に受け入れてもらえない施設もある。

有料老人ホーム(根拠法:老人福祉法)

対象者:60歳以上また65歳以上
※施設により異なる。

サービス内容
・入浴、排せつの介護
・食事提供、食事の介護
・家事(洗濯、掃除)
・健康管理 など

有料老人ホームのうち、特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設は、要介護者に対する介護保険サービスを行うことができます。これを「介護付き有料老人ホーム」と呼びます。これを含めて、施設の設備や体制により有料老人ホームは次の3つに分けられます。

介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)


介護が必要になったら、施設に常駐する介護スタッフから介護を受けることができる。

住宅型有料老人ホーム


介護は必要になったら、訪問介護などの外部サービスにより介護を受けることができる。

健康型有料老人ホーム


原則、健康で自立した生活が送れる方が入居できる。自由度が高いが、介護が必要となった場合は退去しなければならない。

ポイント

介護付きと住宅型の違いは介護者が内部か外部かという点

介護付き=施設に常駐する介護スタッフによる介護
住宅型=訪問介護などの外部サービスによる介護

ポイント

民間の施設でも介護保険サービスが受けられる!?特定施設入居者生活介護とは!

介護保険の指定を受けた有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅は入居している要介護1以上の利用者に対して、食事、入浴、排せつなどの介護や機能訓練などを介護保険サービスとして行うことができます。
(養護老人ホーム、経費老人ホームも特定施設入居者生活介護の指定を受けることができる)

一方で、特定施設入居者生活介護の指定を受けていない施設で介護を受ける場合には、外部サービスに依頼して訪問介護を受ける必要があります。

認知症高齢者グループホーム(根拠法:老人福祉法)

対象者:下記のすべての条件を満たす人物
要支援2以上
・認知症の症状がある
・自立した生活を送れる

サービス内容
・食事、入浴、排せつの介護
・機能訓練 など

・多くが民間経営だが、介護保険サービスを使うことができる。
・少人数(5~9人)の家庭的な雰囲気のなかで共同生活を送りながら支援を受けることができる。
・買い物や食事の準備を共同で行うことにより、認知症の症状を遅らせて、自立した生活を目指す施設。
・認知症の症状が重度になったり、身体状況の悪化により施設での対応が困難になった場合は退去しなければならない。

3,高齢者福祉施設

軽費老人ホーム


家族による援助を受けられない、自宅での生活に不安のある高齢者が支援を受けることのできる施設です。公的補助により低額もしくは無料で利用することができます。

対象:原則60歳以上の方

A型(食事つき)
高齢のため一人で暮らすには困難な方で、家族による援助が難しい方。

B型(自炊)
A型の条件に加えて、自炊が可能な方。

ケアハウス
・身体機能の低下により自立した日常生活が困難な方。
・家族による援助が難しい方。

サービス

A型
給食や入浴準備、相談対応など

B型
食事は自炊。そのほか、入浴準備、相談対応など

ケアハウス
給食や入浴準備、相談対応
そのほか、介護が必要になったら介護保険を利用した介護サービスを受けることができる。

養護老人ホーム

身体・精神または環境上の理由や経済的な理由により自宅での生活が困難になった方が、食事、機能訓練、その他日常生活上必要な便宜を受けることができる施設です。
行政の「措置」による入所となるため、利用者が施設を選ぶことはできません。また、一時的に高齢者を擁護することが目的の施設であるため、原則、長期間の利用はできないことになっています。

対象:下記のすべての条件を満たす人物
・65歳以上の低所得者
・家族等による援助が受けることができない
・自宅での生活が困難な方
・身の回りのことは自分でできる方

サービス
食事や日常生活の支援

ポイント

特別養護老人ホームと養護老人ホームの違い

同じ公的施設であり、名前は似ていますが両者は性質が大きく異なります。
間違えないように注意してくださいね。

特別養護老人ホーム
介護保険施設で、要介護3以上の方が食事や入浴、排せつなどの介護や機能訓練を受けることができます。利用者が施設を選ぶことが可能です。

養護老人ホーム
高齢者福祉施設で、身体・精神または環境上の理由や経済的な理由により自宅での生活が困難になった高齢者を一時的に擁護することが目的の施設です。
行政の「措置」による入所となるため、利用者が施設を選ぶことはできません。

まとめ

ここまでそれぞれの施設の特徴をご紹介してきました。

これから施設への入居を検討している方は、次の6つの視点を持って、ぜひ施設を選んでみてください。

チェック

①費用
②緊急性(待機期間があっても大丈夫か)
③認知症の有無(認知症があっても入居できるか)
④要介護度
⑤認知症や要介護度が重くなったときに住み替えが必要か
⑥看取りに対応しているか



また、高齢者施設の違いを次の表にまとめました。
特に民間で運営している施設は費用・受け入れ体制・退去の規定が施設によって大きく異なります。そのため、ぜひとも6つの視点を確認しながら施設を検討してみてください!

☆1:介護型ケアハウスは要介護1以上
☆2:施設の規定による
☆3:施設の規定による
☆4:特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設では可能な場合がある

現状と将来を見越した検討により、あなたにピッタリな施設が見つかることを祈っています。

参考サイト

※1:サービス一覧/サービス紹介|WAM NET|2022.10.25

※2:厚生省老人保健福祉局企画課長通知「介護老人保健施設入所者に係る往診及び通院(対診)について」|2022.10.25

※3:介護医療院公式サイト|厚生労働省|2022.10.25

※4:サービス付き高齢者向け住宅について|厚生労働省|2022.10.25


タイトルとURLをコピーしました